2018年度研究発表・公開講座

2018年度開催の研究発表・公開講座

2019-01-31
奥山専門研究員が執筆した論文がAnnals of Nuclear Medicine誌に掲載されました。
2018-12-29
木下専門研究員が第5回江蘇大学国際検査医学シンポジウムで発表しました。
2018-12-13
木下専門研究員ががん診療グランドセミナーで講演しました。
2018-11-15
奥山専門研究員が第58回日本核医学会学術総会で発表しました。
2018-11-15
加川主任研究員が第58回日本核医学会学術総会にて発表しました。
2018-10-24
奥山専門研究員が第76回滋賀県放射線技師会で発表しました。
2018-10-19
山内副所長が第61回日本脳循環代謝学会学術集会で発表しました。
2018-08-27
第56回滋賀県立総合病院研究所セミナーを開催しました。
2018-08-24
画像研究部門がPETサマーセミナー2018で発表しました。
2018-08-04
奥山専門研究員が第129回核医学症例検討会で発表しました。
2018-07-21
奥山専門研究員がJCRミッドサマーセミナー2018で講演しました。
2018-07-07
奥山専門研究員が第128回核医学症例検討会で発表しました。
2018-06-23
加川主任研究員が第65回米国核医学・分子イメージング学術会議にて発表しました。
2018-06-20
画像研究部門の開発した日本発のアミノ酸系PET製剤MeAIBの脳腫瘍診断に関する原著論文が英文医学誌 Contrast Media Mol Imagingにonline掲載されました。
2018-04-23
奥山専門研究員が執筆した論文がClinical Nuclear Medicine誌に掲載されました。

2018年度に開催した研究発表・公開講座の詳細

奥山専門研究員が執筆した論文がAnnals of Nuclear Medicine誌に掲載されました。

当研究所奥山専門研究員がFDG-PETにおける生理的扁桃集積が化学療法の経過に伴って大きく変化し、治療後のリンパ腫再燃と見誤らないことが重要であることを発見し、執筆した論文が医学雑誌ANM誌に掲載されました。

掲載日 2019年1月31日
掲載雑誌名 Annals of Nuclear Medicine (doi.org/10.1007/s12149-019-01337-w)
著者 Chio Okuyama, Shigenori Matsushima, Motoki Nishimura, Kei Yamada
表題 Increased 18F-FDG accumulation in the tonsils after chemotherapy for pediatric lymphoma: a common physiological phenomenon
要旨

Objective: Increased 18F-fluorodeoxyglucose (FDG) uptake in the tonsils after the completion of chemotherapy in patients with lymphoma may be misdiagnosed as tumor recurrence. This study aimed to investigate the changes in physiological FDG uptake in the tonsils during and after chemotherapy in pediatric patients with lymphoma.

Methods: A total of 47 FDG-PET/CT scans acquired from 13 pediatric patients with lymphoma (before chemotherapy [preC] = 9; during chemotherapy [durC] = 12; within 1 month after the end of chemotherapy [endC] = 11; and after achieving complete response [postC] = 15) were retrospectively included in this study. FDG uptake in the palatine tonsils was assessed
using maximum standardized uptake value (SUVmax). The relative size of the palatine tonsils was calculated as the tonsil-pharyngeal ratio (TPR). Serial changes in the SUVmax and TPR were evaluated.

Results: The mean SUVmax was 3.7 ± 1.7, 2.6 ± 0.7, 2.3 ± 0.8, and 6.2 ± 1.6, at the preC, durC, endC, and postC scans, respectively (p < 0.0001); TPR was 59.0 ± 11.2%, 58.3 ± 9.4%, 54.4 ± 7.9%, and 62.2 ± 12.0% in these groups, respectively, with no significant inter-group differences. TPR and SUVmax showed no correlation.

Conclusions: Increased physiological FDG uptake in the tonsils is commonly observed after the completion of chemotherapy, even in the absence of reactive hypertrophy.


木下専門研究員が第5回江蘇大学国際検査医学シンポジウムで発表しました。

開催日 2018年12月29日
学会名 第5回江蘇大学国際検査医学シンポジウム
開催地 中国江蘇省鎮江市
発表形式 口演
演題 遺伝子多様化酵素AIDによる発がん機構
演者 木下和生
要旨 2018年度ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶京都大学特別教授が成し遂げた業績はがん免疫療法以外にも数多く、中でも抗体クラススイッチに関する研究は国際的に高く評価されている。酵素AIDがクラススイッチのみならず、抗体認識の多様化をもたらす体細胞突然変異にも必須の酵素であったという発見は免疫学者の度肝を抜く発見であった。本講演ではAIDが本来の標的でないがん関連遺伝子を変異させ、様々な種類のがんを引き起こす可能性を実験結果で示した。AIDの働きを抑制することががんの予防につながる可能性を解説した。

木下専門研究員ががん診療グランドセミナーで講演しました。

発表日 2018年12月13日
学会名 第9回がん診療グランドセミナー
開催地 滋賀県立総合病院研究所講堂
発表形式 口演
演題 不都合な真実:飲酒による遺伝子損傷
演者 木下和生
要旨 2018年に発表された論文を中心に、健康のためには禁酒がベストであること、酒毒はDNAへのダメージに起因することを解説した。
配布資料 配布資料(PDF)

奥山専門研究員が第58回日本核医学会学術総会で発表しました。

開催日 2018年11月15日から17日
学会名 第58回日本核医学会学術総会
開催地 沖縄コンベンションセンター
発表形式 口演
演題 Heterogeneous FDG uptake in the bone marrow in patients with esophageal cancer(食道癌患者における不均一な骨髄分布)
演者 Chio Okuyama, Koichi Ishizu, Tatsuya Higashi, Ryusuke Nakamoto, Masaaki Takahashi, Kuninori Kusano, Shinya Kagawa, Tsuneo Saga, Hiroshi Yamauchi
要旨

【Aim】Esophageal cancer (EK) patients(pts) with focal FDG uptake in bone marrow (BM) misinterpreted as metastasis have been reported. Vertebral uptake in pts with EK were retrospectively evaluated.

【Methods】 FDG-PET before treatment for EK(n=97) and control pts (n=100) were included. The intensity of Th4-10 (T) and L2-5(L):H(high), M(moderate), W(weak), balance: T≒L (TL), T>L (Td), T<L (Ld), and pattern: homogeneous (Ho), Heterogeneous (He), Marginal (M), Hot spot (S)) were evaluated.

【Results】Intensity (H/M/W)were classified as follows: (T) 30/59/11%, and (L)18/52/30%. TL/Td/Ld were seen in 56/44/0 (%). Th(H), Td, and pattern He, M, and S were seen more frequently in EK. Pts with H tended to show Ho pattern, and the M and S patterns were often seen in pts with W.

【Conclusion】Recognizing that pts with EK often show heterogeneous BM uptake is important to avoid misdiagnosis.


加川主任研究員が第58回日本核医学会学術総会にて発表しました。

開催日 2018年11月15日から17日
学会名 第58回日本核医学会学術総会
開催地 沖縄県宜野湾市
演題 人工アミノ酸PET診断薬・[11C]MeAIB分析法の基礎検討
演者 加川信也
共同演者 廣澤信英、西井龍一、東達也、川井恵一、奥山智緒、山内浩
要旨 アミノ酸輸送には、輸送基質選択性とNa+依存性により多様なアイソフォームが存在しており、 [S-methyl-11C]-L-methionine ([11C]MET)がアミノ酸輸送システムLの基質であるのに対し、α-[N-methyl-11C]-methylaminoisobutyric acid ([11C]MeAIB) はエネルギー依存性のアミノ酸輸送システムAの特異的基質である。 我々は、[11C]MET-PETと異なる機能画像として、アミノ酸輸送系システムAに着眼した分子イメージングを目的として、[11C]MeAIBの臨床応用を行い種々の腫瘍診断有用性を報告してきた。しかしMeAIBの濃度及び比放射能の算出する際、HPLC-UV検出器を用いた一般的な測定法では、高感度及び選択性良く分析を行うことが非常に困難であった。本検討では、目的化合物の誘導化(蛍光誘導体化法)を行うことなく、迅速で高感度な分析が可能な超小型MS(質量分析)検出器を用いてMeAIBの測定を行った。当研究所で合成した[11C]MeAIBを分析した結果、濃度は1 ppm以下、比放射能は74 GBq/µmol以上であり、高感度及び迅速に測定することが可能であった。

奥山専門研究員が第76回滋賀県放射線技師会で発表しました。

開催日 2018年10月24日
学会名 第76回 滋賀県放射線技師会 核医学研究会
開催地 守山市
発表形式 特別講演
演題 かゆいところに手が届く核医学検査とは?
演者 奥山智緒
要旨 核医学検査は検査の選択、検査の方法、読影の方法によって得られる情報に大きな違いの出る検査である。空間分解能に限界のある検査であるが、形態画像では得られない特異的な機能をとらえられ他ではえられないを生体の重要な情報を提供してくれるが、不十分な情報では、明快な判断を下すことができない(かゆいところに手が届かないやや欲求不満の画像となる)。個々の検査に対し、検査目的を十分把握し、臨機応変の工夫を加えることが、医師の求める以上の臨床に役立つ情報の提供につながることを症例を提示しながら講演した。

山内副所長が第61回日本脳循環代謝学会学術集会で発表しました。

開催日 2018年10月19日
学会名 第60回日本脳循環代謝学会学術集会
開催地 盛岡市
発表形式 口演
演題 アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患における血圧低値と脳循環障害悪化
演者 山内浩
要旨

【目的】高血圧は脳卒中の最も重要な危険因子である。脳卒中患者では、一般的には、血圧が低いほど再発率が低い.しかし、脳主幹動脈閉塞性疾患患者では、血圧を下げると脳循環が障害され、脳梗塞リスクが増大する懸念がある。これまでの検討で、血圧低値例(<130mmHg)では、脳卒中再発率が逆に高くなるJカーブ関係があることを明らかにした.血圧低値は、側副血行路の血流を減らし、経過観察中の側副血行の発達を妨げ、脳循環障害の改善を阻止し,脳梗塞リスクを高いままに維持する可能性がある.本研究の目的は、血圧が低いと経過観察中の脳循環障害の改善が少ないかどうかを明らかにすることである.

【方法】内頸あるいは中大脳動脈に狭窄または閉塞を有し、内科治療にて経過観察中(平均28ヶ月)に脳卒中発作のない患者89例を対象とした(症候性61例).PETと15O-Gasを用いて、脳循環代謝諸量を2回求めた.病変側中大脳動脈領域大脳皮質平均値の変化(2回目の値と1回目の値の差)と2回のPET検査時の収縮期血圧値の平均値(経過観察中血圧の指標)の関係を検討した.

【成績】脳循環障害の改善の程度と平均収縮期血圧値との間には正の相関関係が認められた.血圧低値群(<130mmHg)(n=18)は、脳血流量と脳血流量/血液量が低下し、酸素摂取率値が増加しており、脳循環障害が悪化していた.一方、血圧低値(<130mmHg)がない群では、有意な変化を認めなかった.

【結論】アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患患者で経過観察中に脳卒中発作のない患者において、血圧が低いと経過観察中の脳循環障害の改善が少なく、血圧低値(<130mmHg)例では、脳循環障害は悪化していた.過度の血圧低値(<130mmHg)を避けることは、経過中の脳循環障害悪化と、それに伴う脳梗塞再発を予防するために重要と考えられる.


第56回滋賀県立総合病院研究所セミナーを開催しました。

開催日 2018年8月27日(月)17時15分~18時
開催場所 滋賀県立総合病院研究所会議室
演題 ヒト脳の非侵襲脳計測に対する統計的モデリングによる推定精度向上
演者 矢野 貴文 先生(京都大学工学研究科電気工学専攻小林研究室)
要旨 非侵襲計測法として、拡散MRIやMEG等がありますが、これらの計測法は推定対象である変数を計測データから推定する逆問題として定式化されます。今回のセミナーでは、逆問題に対して統計的モデリングの立場からアプローチする方法を平易にご紹介致します。また、修士課程の際にデータ分析会社を創業し売却した経験を今後の産官学連携に役立たせられるような視点でご紹介したいと思います。
世話人 谷垣 健二(専門研究員)
案内チラシ チラシ(PDF)

画像研究部門がPETサマーセミナー2018で発表しました。

開催日 2018年8月24日、26日
学会名 日本核医学会分科会 PETサマーセミナー2018(8/24-26開催)
開催地 山口湯田温泉 ホテルかめ福
演題1 レポートを書くために―失敗から学んだ診断に必要な情報―
演者1 奥山智緒
要旨1 湯田温泉で開催のPETセミナーにて少人数セミナー形式のミニ松下村塾と称する、少人数のセミナーが開催され、塾長を務めて多数症例を提示して診断に必要な情報とは何か、レポートを記載するための心構えについて、講演した。
演題2 FDG-PET/CT投薬時の状況が肩関節付近の画像に及ぼす影響
演者2 橋爪泰子、郷田紗弥香、奥山智緒、高橋昌章、草野邦典、加川信也、東達也、石津浩一、佐賀恒夫、山内浩
要旨2 FDG-PET/CTでは、肩付近に炎症や非対称性の生理的集積によるhot spotがみられる患者を経験する。生理的な非対称性集積を減らし、患者にとって安全、安楽で、診断時に影響を及ぼしにくい最適な肢位を模索するために、投与時の状況が及ぼす影響を検討した。注射側の小円筋や肩甲下筋に集積がみられる患者が全体の14.2%あり、注射時の手置台の高さや注射部位が同側の小円筋や肩甲下筋の描出頻度と関連し、広いスペースで不自然な力のかからない手台にて、撓側注射を短時間で行うことが、筋肉集積を減らすために有効であることを報告した。

奥山専門研究員が第129回核医学症例検討会で発表しました。

開催日 2018年8月4日
学会名 第129回核医学症例検討会
開催地 ホテルヴィスキオ尼崎
発表形式 症例検討(一般口演)
演題 FDGの脳集積について考えさせられた3症例
演者 奥山智緒、草野邦典、高橋昌章、加川信也、山内浩
要旨 FDG-PET 検査にて脳は通常高集積を呈するが、時折びまん性に低集積を呈することがある。GAMUTに示されるように、その原因として各種脳疾患や、薬剤の影響以外には、検査時の高血糖や、多発異常集積を有する場合が良く知られている。今回、いずれの場合にも合致しないびまん性の脳低集積を3例提示し、その原因について考察したので報告した。検査時の血糖値のみならず、一定期間の血糖値の変動(慢性高血糖)や、血糖値の乱高下の激しいダンピング症候群などにおいては、脳集積が低下しうると考えられた。

奥山専門研究員がJCRミッドサマーセミナー2018で講演しました。

開催日 2018年7月21、22日
学会名 JCRミッドサマーセミナー(日本放射線学会放射線科専門医会・医会)
開催地 神戸ポートピアホテル
発表形式 教育講演
演題 腫瘍診療における核医学の使い方
演者 奥山智緒
要旨 核医学のエッセンスを学ぼう のセッションにて、腫瘍診療におけるFDG-PETの使い方、解釈の仕方に加え、FDG以外の薬剤につき、PET,SPECT製剤のメカニズムと、効果的な用い方を講演した。

奥山専門研究員が第51回日本核医学会近畿地方会で発表しました。

開催日 2018年7月7日開催予定が大雨のためWeb開催(2018年7月17日から7月31日)
学会名 第51回日本核医学会近畿地方会
開催地 和歌山県立医大(大雨のためWeb開催に変更)
発表形式 口演⇒Web開催
演題 食道癌患者のFDG-PETに見られる骨髄のhot spotについての検討
演者 奥山智緒、石津浩一、中本隆介、東達也、佐賀恒夫、高橋昌章、草野邦典、加川信也、山内浩
要旨 限局性の機能性骨髄は、FDG-PETにおいてしばしば骨転移との鑑別が必要な生理的集積の一つである。偽陽性所見としての脊椎の機能性骨髄については、食道癌での症例報告が散見される。食道癌の脊椎の多発限局性集積についてretrospectiveに検討した。治療前の食道癌81例中9例で脊椎に多発限局性集積が認められ、そのうち1例は骨転移、1例は変形性変化による集積と考えられた。経時的に増悪の見られない機能性骨髄が疑われた残りの7例の画像的、臨床的特徴を検討した。全例男性で、食道癌の内視鏡的形態は、表在癌5例、進行癌2例であった。骨転移と類似の画像(軽度高吸収、T1WI,T2WI低信号、DWI高信号)に加え、骨梁が維持されている、脂肪抑制T2WIで不明瞭化しやすく、周囲の骨髄の低吸収が目立つなどの特徴がみられた。FDGの集積は相対的にhot spotに見られるが、SUV値は比較的低値で、これらの症例においては、相対的に集積は胸椎で目立ち、限局性集積部の周囲の骨や腰椎のFDG集積が低い共通点がみられた。2症例ではhot spot部からの生検にて骨髄過形成が確認され、貧血が確認された6例中1例ではその後MDSの発症がみられた。FDG検査時に貧血の見られなかった症例でも、その後貧血の進行がみられた。食道癌の背景に存在する諸因子が関連する不均一な機能性骨髄分布がFDG-PETで限局性多発集積と関連している可能性が示唆された。

加川主任研究員が第65回米国核医学・分子イメージング学術会議にて発表しました。

加川主任研究員が、6月23日から26日までアメリカのフィラデルフィアで開催された第65回米国核医学・分子イメージング学術会議(SNMMI 2018)にて発表しました。アミノ酸PET製剤MeAIBの基礎実験であり、ヒト腫瘍細胞におけるMeAIB集積量とアミノ酸トランスポーターの発現量及び細胞増殖能に関する発表です。

開催日 2018年6月23日~26日
学会名 第65回米国核医学・分子イメージング学術会議(SNMMI 2018)
開催地 フィラデルフィア(アメリカ)
演者 加川信也(主任研究員)
演題

The relationship among [14C]MeAIB and [3H]MET uptake, gene expression levels of amino acid transporter and proliferative activity assessed by accumulation of [3H]FLT in in-vitro study using human carcinomas

Shinya Kagawa, Ryuichi Nishii, Tatsuya Higashi, Chio Okuyama, Hiroshi Yamauchi, Masato Kobayashi, Mitsuyoshi Yoshimoto, Naoto Shikano, Keiichi Kawai

要旨 アミノ酸トランスポーターシステムAとシステムLのPETイメージングの違いを明らかにするため、これまでに我々は、[S-methyl-11C]-L-methionine ([11C]MET)によるアミノ酸トランスポーターシステムLとは異なる、α-[N-methyl-11C]-methylamino isobutyric acid ([11C]MeAIB)によるシステムAを標的にした放射性薬剤の開発を行ってきました。[11C]MeAIBは、アミノ酸トランスポーターシステムAに高い特異性を持ったPET薬剤であることが知られていますが、ヒト腫瘍培養細胞においてアミノ酸トランスポーターシステムAの機能を詳細に研究した報告はありません。そこで、ヒト腫瘍培養細胞におけるアミノ酸PET薬剤の集積量とアミノ酸トランスポーター遺伝子発現量及び細胞増殖能との関連について検討しました。 4種類のヒト腫瘍培養細胞集積実験において、[11C]MeAIBの主要な輸送経路は、アミノ酸トランスポーターシステムAであり、[14H]METと比較して特異性が高いことが確認されました。さらに、[14C]MeAIBの細胞集積量が、アミノ酸トランスポーターシステムAの遺伝子発現量や[3H]FLT集積量による細胞増殖能との相関性が認められたことから、アミノ酸トランスポーターシステムAを指標とした[11C]MeAIBによるPETは、腫瘍増殖活性の診断に有用である可能性が示唆されました。[11C]MeAIB-PETの臨床使用に関して、有益な情報を与えるものと期待されます。

画像研究部門の開発した日本発のアミノ酸系PET製剤MeAIBの脳腫瘍診断に関する原著論文が英文医学誌 Contrast Media Mol Imagingにonline掲載されました。

MeAIBは当研究所の加川研究員が中心となり我が国で初めて薬剤合成に成功したアミノ酸系PET製剤で、FDG-PETやFDG-PET/CTで診断に苦慮する脳腫瘍疾患で良悪性鑑別に威力を発揮するものと期待される人工アミノ酸PET製剤です。今回、アストロサイトーマを対象にPET診断を行い、良好な良悪性鑑別能を示したことを報告しました。

掲載日 2018年6月20日
掲載雑誌名 Contrast Media Mol Imaging
著者 Nishii R, Higashi T, Kagawa S, Arimoto M, Kishibe Y, Takahashi M, Yamada S, Saiki M, Arakawa Y, Yamauchi H, Okuyama C, Hojo M, Munemitsu T, Sawada M, Kobayashi M, Kawai K, Nagamachi S, Hirai T, Miyamoto S.
標題 Differential Diagnosis between Low-Grade and High-Grade Astrocytoma Using System A Amino Acid Transport PET Imaging with C-11-MeAIB: A Comparison Study with C-11-Methionine PET Imaging.
要旨 INTRODUCTIONS:
[N-methyl-C-11]α-Methylaminoisobutyric acid (MeAIB) is an artificial amino acid radiotracer used for PET study, which is metabolically stable in vivo. In addition, MeAIB is transported by system A neutral amino acid transport, which is observed ubiquitously in all types of mammalian cells. It has already been shown that MeAIB-PET is useful for malignant lymphoma, head and neck cancers, and lung tumors. However, there have been no reports evaluating the usefulness of MeAIB-PET in the diagnosis of brain tumors. The purpose of this study is to investigate the efficacy of system A amino acid transport PET imaging, MeAIB-PET, in clinical brain tumor diagnosis compared to [S-methyl-C-11]-L-methionine (MET)-PET.
METHODS:
Thirty-one consecutive patients (male: 16, female: 15), who were suspected of having brain tumors, received both MeAIB-PET and MET-PET within a 2-week interval. All patients were classified into two groups: Group A as a benign group, which included patients who were diagnosed as low-grade astrocytoma, grade II or less, or other low-grade astrocytoma (n=12) and Group B as a malignant group, which included patients who were diagnosed as anaplastic astrocytoma, glioblastoma multiforme (GBM), or recurrent GBM despite prior surgery or chemoradiotherapy (n=19). PET imaging was performed 20 min after the IV injection of MeAIB and MET, respectively. Semiquantitative analyses of MeAIB and MET uptake using SUVmax and tumor-to-contralateral normal brain tissue (T/N) ratio were evaluated to compare these PET images. ROC analyses for the diagnostic accuracy of MeAIB-PET and MET-PETwere also calculated.
RESULTS:
In MeAIB-PET imaging, the SUVmax was 1.20 ± 1.29 for the benign group and 2.94 ± 1.22 for the malignant group (p < 0.005), and the T/N ratio was 3.77 ± 2.39 for the benign group and 16.83 ± 2.39 for the malignant group (p < 0.001). In MET-PET, the SUVmax was 3.01 ± 0.94 for the benign group and 4.72 ± 1.61 for the malignant group (p < 0.005), and the T/N ratio was 2.64 ± 1.40 for the benign group and 3.21 ± 1.14 for the malignant group (n.s.). For the analysis using the T/N ratio, there was a significant difference between the benign and malignant groups with MeAIB-PET with p < 0.001. The result of ROC analysis using the T/N ratio indicated a better diagnosis accuracy for MeAIB-PET for brain tumors than MET-PET (p < 0.01).
CONCLUSIONS:
MeAIB, a system A amino acid transport-specific radiolabeled agents, could provide better assessments for detecting malignant type brain tumors. In a differential diagnosis between low-grade and high-grade astrocytoma, MeAIB-PET is a useful diagnostic imaging tool, especially in evaluations using the T/N ratio.

奥山専門研究員が執筆した論文がClinical Nuclear Medicine誌に掲載されました。

奥山専門研究員が執筆した論文がClinical Nuclear Medicine誌に掲載されました。FDG-PETは各種悪性腫瘍の病期診断に広く活用されていますが、時に様々な偽陽性、偽陰性が認められます。早期食道癌に対するFDG-PETにて骨転移が疑われた骨髄reconversionについて、他の検査所見と合わせて報告しました。

掲載日 2018年4月
掲載雑誌名 Clinical Nuclear Medicine
著者 Chio Okuyama, Naomi Sasaki, Motoki Nishimura, Shigenori Matsushima, Rika Yoshimatsu.
表題 Active bone marrow with focal FDG accumulation mimicking bone metastasis with a case of early esophageal cancer
要旨 A 68-year-old man underwent 18F-FDG PET/CT for the staging of esophageal carcinoma discovered by a medical checkup. Increased focal accumulation in some vertebrae, right humerus, and right femoral bone was noted on FDG-PET, whereas CT showed relatively high attenuation, and MRI showed hypointense lesions on T1- and T2-weighted imaging. A bone biopsy revealed mildly hypercellular bone marrow in the thoracic spine with FDG accumulation and markedly hypocellular bone marrow in the pelvic bone without an increased uptake. 111InCl scintigraphy showed a similar distribution and confirmed the diagnosis of bone marrow reconversion.