研究所紹介

所長ご挨拶

伊藤所長本年1月16日付けで本研究所所長を拝命致しました伊藤壽一です。前職は京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授です。歴代の本研究所所長の方々は基礎医学系のご専門の方々が多かったと思われます。私は大学卒業以来ずっと臨床医学、それも外科系の医師として手術を中心に病院勤務をしてまいりました。耳鼻咽喉科・頭頸部外科は比較的広い分野に亘る領域ですが、その中でも耳科学、鼻・副鼻腔学、頭頸部腫瘍学と大別されます。私の専門はこれらの分野でも耳科学です。さらに耳科学の中でも中耳を専門とする分野、内耳を専門とする分野に細分化されます。私は内耳をその臨床・研究対象としてまいりました。端的に申しますと「内耳障害(難聴、耳鳴り、めまい)特に高度内耳障害(聾を含む)は既存の医療では治療が非常に困難である。これらの内耳障害に対し再生医療を含めた新規治療法、新規聴覚機器で克服すること」をその究極目標としています。

さて本研究所は平成11年に成人病センター内に開設された医学研究所です。初代研究所長の杉山武敏先生以降、藤沢仁先生、日合弘先生、真鍋俊明先生と錚錚たる方々が所長を務めてこられました。県立病院に付随した研究所が存在すること自体が稀有な状況の中、本研究所からは滋賀県のみならず全国へ多くの優れた成果・情報を発信してきました。大学以外の病院で研究所を有している場合もありますが、その多くは名前だけの研究所が多く、本研究所のように卓越した業績を発信している場合は希であり、この流れをさらに発展させていきたいと思っております。 本研究所は画像研究部門、遺伝子研究部門、がん研究部門、神経病態研究部門、病理診断支援・教育センター部門からなっています。それぞれの活動内容・業績は各部門紹介を参考にして頂きたく存じます。ここに新たに「聴覚研究部門」が加わりました。本年4月成人病センター、小児医療センターを含めた「聴覚・コミュニケーション医療センター」が発足しました。その目標とするところは

  • 高度内耳障害者(特に高度難聴者)に対し再生医療などを応用した新規医療の開発
  • 臨床応用、新規聴覚機器の開発・臨床応用
  • 新規聴覚診断機器(特に内耳画像診断機器)の開発
  • 難聴者のリハビリテーションを補助する人材育成
  • 滋賀県、日本国内のみならず、上記新規医療を国際展開する

などです。本研究所聴覚研究部門は上記プロジェクトの基礎部門を受け持つ予定であります。

研究所の中で行っていることは必ずしも直ぐに臨床に結び付くものばかりではありませんが、長期の視点では必ず患者さんに還元できると思われる仕事ばかりです。今後も出来る限り研究所内での研究内容、成果を発信していく予定です。また研究所内での研究発表会は「来聴歓迎」ですので病院勤務の方々でもお時間があれば少しでも多くの方に参加して頂ければと存じます。臨床の現場との共同研究などは大歓迎です。今後も本研究所に種々のご協力、ご意見などよろしくお願い致します。

成人病センター研究所所長 伊藤 壽一

沿革

滋賀県は誰もがそれぞれの生涯を通じて暮らしに安心できる「くらし安心県」を県政の柱に掲げ、福祉、保健、医療サービスの充実に取り組んでいます。

その一環として、成人病センター内に、生活習慣病や老年病を対象とする医学研究施設を併設することとし、平成11年度に開設されました。

略年表

平成8年度
基本設計
平成9年度
実施設計
平成9年12月
工事着手
平成11年2月
工事竣工
平成11年4月
滋賀県立成人病センター研究所開設
初代研究所長 杉山武敏 就任
平成14年4月
第2代研究所長 藤澤仁 就任
平成18年4月
第3代研究所長 日合弘 就任
平成21年4月
研究所設立10周年を迎える
平成22年4月
病理診断・教育支援センター設立
第4代研究所長 真鍋俊明 就任
平成27年1月
第5代研究所長 伊藤壽一 就任

施設の構造と規模

研究所の施設研究所は、滋賀県立成人病センターの敷地内に存在し、北東の一角を占める鉄筋コンクリート造り、地上3階、地下1階の建物からなっています。延床面積4,555m2(一般研究部門3,000m2、画像研究部門1,500m2)、建築面積1,538m2で、画像研究部門はRI研究等、病院のRI使用区域を兼ねています。その他、動物実験室、講堂(150名収容)、会議室、図書室などが完備されています。

開設当時から、一般実験施設には定量PCR装置、塩基配列解析装置、自動核酸抽出装置、フローサイトメーター、マニュピレーター付倒立顕微鏡、赤血球変形能測定装置、高速液体クロマトグラフィー、染色体画像解析装置、走査電子顕微鏡が装備され、細胞培養室、SPF動物飼育室、大動物実験室(手術台、X線装置)、P3実験室も作られていました。画像研究施設では、PETスキャナー、SPECTスキャナーが備え付けられ、画像処理用ワークステーションと連結していましたし、独自にサイクロトロンや自動合成装置HOT CELLをも有していました。

平成24年3月現在、構成員として所長1名、 副所長1名、 総括研究員1名、専門研究員2名、主任研究員1名、非常勤医師1名に、技師5名、看護師2名、事務員2名がいます。